ヴィッツの進化の歴史
1999年からトヨタで製造・販売されている、1,000~1,500ccクラスのハッチバック型乗用車「ヴィッツ」。
トヨタ・スターレットの後継車として初代が発売されてから約20年。現在でも安定した人気を保ちつつ、なお進化を遂げているトヨタを代表する人気車種の一つです。
今回は、現在もなお進化を止めないヴィッツの歴史についてまとめました。
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ヴィッツの進化の歴史
初代・SCP/NCP1#型(1999年~2005年)
■初代の基本スペック
全長:3.61~3.66m
全高:1.5m
全幅:1.66m
車両重量:810~1,010kg
乗員定員:5人
最高出力:1.0L 70PS/6,000rpm
1.3L 87PS/6,000rpm
最大トルク:1.0L 9.5kgf·m/4,100rpm
1.3L 11.8kgf·m/4,000rpm
主なグレード:「B」「F」「F Dパッケージ」「U」「クラヴィア」「U ユーロスポーツエディション」「RS Dパッケージ」「RS」「B エコパッケージ」
『大人4人が快適に過ごせる室内空間と優れた基本性能を、社会との調和を図るミニマムサイズで具体化した、コンパクトクラスのワールドワイドなベンチマークを提案する新型車』をコンセプトに開発されたヴィッツ。
それゆえ、内外装は上質で、居住空間はボディサイズの割に広い造りとなっています。
トヨタが国内外のコンパクトカーの概念を一新させるべく「ニューベーシックカー・プロジェクト」として
1.環境、安全、走行、居住の各性能で国内外の同クラス車を凌駕すること
2.性能・価格競争力を両立させる技術を確立すること
の2点を満たす世界戦略車として送り込んだ、新世代のコンパクトカーとして誕生。
ヴィッツが誕生した歴史的な背景には環境問題の存在あり、低燃費・低公害が自動車に求められるようになっていました。
その世界的な流れに対して、トヨタはヴィッツをその一つの答えとして提案したと言えるでしょう。
欧州などでも生産・販売される世界戦略車としての役割を担っているので、世界展開を見据えてデザイナーにはギリシャ人のソティリス・コヴォスを採用して、それまでのコンパクトカー市場にない洗練されたデザインを実現しています。
日本国内ではネッツ店の専売モデルとして投入され1999年1月の発売と同時に、高い実用性能はたちまち話題となりました。
発売1カ月で目標の2倍を超える販売台数の20,200台を販売するなど、現在までコンパクトカーカテゴリーの中心的モデルとして安定的な人気を博しています。
日本国内での人気を受け、2001年より海外向けモデル「ヤリス(Yaris)」としてフランス工場で生産され、本格的に世界展開をはじめます。
北米、中南米、ヨーロッパ、アフリカ、中国香港、オセアニア、中近東など世界で広く販売され、2000年には欧州で最も権威のある自動車賞の一つ「欧州カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。世界的にも大成功を収めています。
ちなみにヴィッツの名前はドイツ語の「WITZ(才気や機知といった意)」から作られた造語です。海外ではYARIS(ヤリス)のという名前で発売されており、ヴィッツというのは日本独自の車名となっています。
2代目・KSP/SCP/NCP9#型(2005年~2010年)
■2代目の基本スペック
全長:3.75~3.8m
全高:1.52m
全幅:1.695m
車両重量:980~1,110kg
乗員定員:5人
最高出力:1.0L 71PS/6,000rpm
1.3L 87PS/6,000rpm
1.5L 110PS/6,000rpm
最大トルク:1.0L 9.6kgf·m/3600rpm
1.3L 11.8kgf·m/4400rpm
1.5L 14.4kgf·m/4400rpm
主なグレード:「B」「F」「X」「U」「B インテリジェントパッケージ」「F インテリジェントパッケージ」「アイル」
2000年には欧州で最も権威のある自動車賞の一つ「欧州カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、世界的にも大成功を収めたヴィッツは、2005年にフルモデルチェンジを行います。
2代目となるヴィッツは、『MY PROUD COMPACT』が開発コンセプト。”所有することに誇りを持てるコンパクトカー”を目指し開発されました。
プラットフォームを刷新し、ボディサイズが一回り大きくなり、全幅は5ナンバーサイズとしてはほぼ上限の1,695mmとなりました。
また、衝突安全性が大きく強化され、衝突試験速度を従来の50km/hから衝突時のエネルギーがおよそ2割増える55km/hまで引き上げに成功。日本仕様のエンブレムには“N”をかたどったものを採用しています。
エンジンの方は初代と同様の「1.0L/1.3L/1.5Lエンジン」のラインナップ。1.3L モデルのみフルタイム4WDモデルが用意されました。
剛性感の高い新開発プラットフォームの採用により、足元にトップクラスの余裕が生まれ、軽快なハンドリングとしっかりしたフラットな乗り心地を実現させる新型サスペンション、優れた制動力を発揮する新型のブレーキシステムや滑らかな加速フィールが特徴の「Super CVT-i」の搭載により、街乗りからロングドライブまでストレスのない高い走行安定性と居住性を両立しています。
また、進化した「トヨタ・インテリジェント・アイドリングストップシステム」により、クラストップレベルの低燃費性能を実現しました。
2006年には累計生産台数が100万台に達するなど、当時のヴィッツは販売台数に関する快進撃は止まるところを知りませんでした。
3代目・KSP/NSP/NCP/NHP13#/NSP15#型(XP130型:2010年~、XP150型:2013年~)
■3代目の基本スペック
全長:3.945m
全高:1.53m
全幅:1.695m
車両重量:970~1,130kg
乗員定員:5人
最高出力:1.0L 69PS/6,000rpm
1.3L 95PS/6,000rpm
1.5L 109PS/6,000rpm
1.5L HV 74PS/4,800rpm
最大トルク:1.0L 9.4kgf·m/3600rpm
1.3L 12.3kgf·m/4000rpm
1.5L 14.1kgf·m/4400rpm
1.5L HV 11.3kgf·m/3,600~4400rpm
主なグレード:「F Mパッケージ」「F」「ジュエラ」「F スマートストップパッケージ」「U」「RS Cパッケージ」「RS」「ジュエラ スマートストップパッケージ」
3代目となるヴィッツは、ユーザーの多様なニーズに対応し「コンパクトカーのあるべき姿」を見つめ直すところから開発が進められました。
その結果、精悍でスタイリッシュなスタイリング、コンパクトでありながら上質なインテリアを持ち、高いスペースユーティリティの実現をはじめ、日常の街乗りからロングドライブまで優れた走行性能、より高い燃費性能を追求し、クラスを超えた上質な走りと居住性を持つコンパクトカーへと進化しました。
とくに3代目は歴代から比べると、室内空間の快適性が大幅に変わりました。
より快適性を追求し、前席にはホールド性の高い新骨格のシートを採用。後席は全長の拡大により室内長も拡大されたことで足元のスペースが拡がり快適性を向上。
また、フロントドアガラスには高性能UV吸収剤を使用することで紫外線を約99%カットし、手袋や日焼け止めを使用した時と同等の効果が得られる世界初の「スーパーUVカットガラス」を採用しました。このことで女性からの支持率も高まりました。
エンジンの方は初代・2代目と同じく1.0L/1.3L/1.5Lの直列4気筒自然吸気エンジンが用意され、1.3L モデルのみFF駆動とフルタイム4WD駆動が設定されています。
1.3Lの2WDモデルには新開発のアイドリングストップ機能「SMART STOP」が搭載され、クラストップレベルの低燃費性能を実現しました。