オタク文化の最骨頂「痛車」の全て

オタク文化の最骨頂「痛車」の全て

オタク文化の最骨頂「痛車」の全て

ラッピングカー

街中で見かけることも少なくない「痛車」。
アニメやゲームに登場する萌え系美少女キャラクターのペイント装飾が施された車から、そのキャラクターへの愛がひしひしと伝わってきます。

「オタク」という言葉が一般化し、同時にその言葉が指す人々の存在も世間に広く認知された昨今、痛車は珍しいものではなくなりました。
それでも街中を走っている姿は目を惹きますし、アニメやゲームに興味が無くとも思わず興味をそそられます。

詳しく知ると意外と面白い痛車の世界。
痛車についてまとめました。

痛車の歴史

今や日本を代表する文化である”オタク文化”から発祥した痛車ですが、「見ていて痛々しい車」という意味からきた俗語。
また、奇抜で目を惹くデザインが特徴の「イタ車(イタリア車)」との語呂合わせであるという説もあります。
痛車の所有者が自虐で「痛車」という俗語を使用しだしたと言われています。

痛車のはじまり

元々「痛車」は愛好家の間でのみ通じる隠語であったため、正式な痛車の始まりは不明ですが、メディアで確認できる中では『うる星やつら(1978年連載開始)』の痛車が一番古いものとされています。
いわゆる「デコトラ(ペイント装飾やマーカーランプなどの電飾装備でデコレーションしたトラック)」が一般乗用車へ派生し、その中でアニメやゲームに登場する萌え系美少女キャラクターのペイント装飾を行う人々が現れました。

1990年代後半『新世紀エヴァンゲリオン』の社会現象化に始まる「大人のアニメブーム」から、徐々に”オタク”の存在がメディアで取り上げられるようになり、同時に痛車の存在も世間に知られるようになります。
また2000年代に突入してからは、インターネットの普及もあり、Webサイトやテレビ番組などでの映像公開により広く周知されました。

その後、”宣伝車としての痛車”が街中に登場するなどして、徐々に市民権を得ていき、現在に至ります。
現在では町おこしの一環として痛車を活用している市町村も多いようです。

■話題になった宣伝車としての痛車

・「初音ミク」ラッピング電車(札幌市電/雪まつりシーズン宣伝)

・『ゆりてつ 私立百合ヶ咲女子高鉄道部』キャラクターラッピング電車(由利高原鉄道/秋田県)

・『ガールズ&パンツァー』キャラクターラッピング電車(鹿島臨海鉄道/茨城県)

・『俺の妹がこんなにかわいいわけがない』キャラクターラッピング電車(千葉モノレール/千葉県)
・『俺の青春のラブコメが間違っている続』キャラクターラッピング電車(千葉モノレール/千葉県)

・『ライブライブ!』キャラクターラッピング電車(山手線/東京都)

・マスコットキャラクター「ナミキちゃん」ラッピング公用車(長野県飯田市)

・『花咲くいろは』キャラクターラッピング電車(のと鉄道線/石川県)
・富山県の製作会社「PAworks」制作アニメイラストを使用したラッピング電車(のと鉄道線/石川県)

・『けいおん!』キャラクターラッピング電車(京阪電鉄大津線/滋賀県大津市)
・『ちはやふる』キャラクターラッピング電車(京阪電鉄大津線/滋賀県大津市)
・『中二病でも恋がしたい!』キャラクターラッピング電車(京阪電鉄大津線/滋賀県大津市)

・『ご注文はうさぎですか?』キャラクターラッピング電車(叡山電鉄/京都府)
・『NEW GAME!』キャラクターラッピング電車(叡山電鉄/京都府)

・男性キャラクター3名のイラストを使用したコンセプトカー(自民党/ニコニコ超会議)

・モンスターエナジー宣伝カー(ハンセン・ナチュラル社)
・水ようかん宣伝カー(業務スーパー)
・しっとりいちご宣伝カー(リスカ株式会社)
・チキンラーメン宣伝カー(日清食品)

痛車のつくり方

車体全面に美少女キャラクターのペイント装飾が施されている痛車ですが、一体どのように制作されているのでしょうか。

自作する

基本的には「ステッカー」を車に貼って痛車に仕上げます。

1.貼付け箇所の計測
2.デザインの構造決め
3.フォトショップ等の画像編集ソフトで元の画像を編集
4.印刷メディアをプリンタ
5.印刷したメディアにインクを定着させる(2~5日間程度)
6.各メディアを繋ぎ合わせていく
7.メディアを固定してUVフィルムを貼る
8.車にステッカーを貼る

費用の目安は、市販のステッカーがA4サイズ3枚で1,000円前後となり、こちらにUVフィルムとインク代がプラスされます。
おおよそ、軽自動車の場合約12万円/セダンの場合約15万4千円となります。

中でもステッカーを貼り付ける作業が一番難しいようです。

業者に依頼する

上記の自作する方法は日数がかかる上、ステッカーを貼る技術も求められますので、痛車所有者の8割は業者に制作を依頼しています。

・カーラッピング(車体全体を丸ごと包み込むように大きな専用フィルム覆い被せる手法)
軽自動車・コンパクトカー(小型) 30万円~
セダン(中型) 45万円~
ミニバン(大型) 60万円~

・キャラ貼り(好みのキャラクターなどを大きなステッカーにプリントアウトし、そのステッカーをボンネットやドアなどのボディの一部に貼り付ける手法)
ボンネット 3万円~
ルーフ 4万円~
ミラー 1万円~

また、ヨドバシカメラのホビーコーナーにて痛車用のステッカーが販売されています。
多彩なアニメキャラのラインナップで、ここでステッカーを購入し自分で貼り付け作業のみを行う方法が一番費用が掛からないではあります。

海外での痛車への反応

日本のアニメやゲームはインターネットの普及により世界にどんどん広がっています。
中には熱狂的な”海外のオタク”を生み出したアニメも。好きなアニメの「聖地巡礼」のため日本を訪れる外国人も多く、アニメやゲームが観光客の集客に一役買っていることはすでに周知の事実です。

痛車もすでに日本国内だけのものではなくなっており、海外でもブームを呼んでいます。

ドイツの痛車

とくにドイツでの痛車ブームは熱狂的のようです。ドイツでも近年は、街中で痛車を見かけるようになっています。
2016年以降は、アニメファン向けイベントで痛車がグループ展示されるようになり、痛車文化はドイツ国内にすっかり浸透しました。

「ドイツ欧州『痛車』ネットワーク(Network of German & European Itasha:NGE痛車)」なる団体も存在。
NGE痛車は、欧州における痛車のオーナーや痛車に関心のある人たちの情報交換と交流を目的に2015年に設立された団体です。
現在のメンバーはおよそ130人。ドイツを中心に、オランダ・イタリア・フランス・スペイン・ポーランドなど欧州各地にメンバーがいます。
このうちメンバーが保有する痛車はおよそ40~50台。ドイツが最も多く、デュッセルドルフを州都とするノルトライン=ヴェストファーレン州だけでも10台以上存在するそうです。

ちなみにドイツ国内での痛車の反応は”99%ポジティブ”とのこと。その熱狂度は日本を超えつつあります。

アメリカの痛車

アメリカにも痛車文化は浸透しつつあります。
ですが、そこは「さすが自由の国、アメリカ」と言わざるを得ず、痛車の規模が段違いであることが特徴です。
アメリカで見かける痛車は高級車であることが多く、ベンツやランボルギーニなどの痛車が多く目撃されています。

■アメリカ人歌手クリス・ブラウンは愛車ランボルギーニを痛車に改造。
クリスはかなり熱狂的な日本のアニメファンとしても有名で、ボンネット部分に『ドラゴンボール』の主人公である悟空のイラストを入れSNSで公開しました。
地元メディアは、「まさに”スーパーサイヤ人級”」と紹介。同国の『ドラゴンボール』ファンや痛車所有者の羨望を集めています。

台湾の痛車

台湾・台北市では日本同様に、車体に広告を印刷した萌え系アニメキャラクターのラッピングバスが多く運行しています。

また台湾南部の高雄市では痛車タクシーの運行が話題を呼びました。
黄色のボディにはボーカロイドが描かれており、初音ミク・鏡音リンなど日本でも熱狂的ブームを巻き起こし社会現象にもなったキャラクターはもちろんのこと、韓国のボーカロイド「SeeU」、ボーカロイド派生キャラの「亞北ネル(あきた ねる)」も使用されています。

台湾第二の都市・高雄の地下鉄でも『前進吧!高捷少女』をラッピングした電車が運行。
窓から天井に至るまで車内をイラストが埋め尽くして実に華やかになっており、飲食禁止で罰金1500NT$以上という「厳禁飲食」と、「駆け込み乗車はダメッ!」という「請勿強行上車」のポスターイラストもドアに。
先頭と最後尾には、座席の譲り合いの精神を謳った「請發揮愛心,將座位優先禮讓給需要的旅客」や『前進吧!高捷少女』グッズ紹介ポスターが貼られるなど、その徹底した痛車ぶりは各国でも郡を抜いています。

中国の痛車

「日本の独特の自動車文化」である痛車文化ですが、中国でも定着しつつあるようです。

理由としては、中国国内で自動車を所有している人を年代別に見た場合、1980年代生まれおよび90年代生まれの中国人が全体の70%を占めており、この年代が中国自動車市場におけるボリュームゾーンです。
こうした年代の中国人消費者は「純粋に運転を楽しむ」ことも重視する傾向にあり、自動車の改造を行ったり、個性を表現するために車をオリジナルの色に塗装したりしています。その中で主に90年代生まれでアニメ好きの消費者が、愛車を痛車仕様にすることで個性を表現しているようなのです。
中国で痛車にする場合には、日本と同じようにステッカーを貼るケースが多く、費用はすべて含めても3000元ほどで済むので、数万元から数十万元の自動車を購入できる消費者にとっては、自分が好きなアニメキャラクターのステッカーを車に貼るコストなど微々たるもののようです。
このような背景から、中国では今後爆発的に痛車が増えるのではないかと予想されています。

今や日本国内のみならず、世界に拡がりを見せる痛車文化。
今後もますます発展していくことでしょう。

 

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