【各メーカー】車の安全技術まとめ一覧
2014年から、国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構が自動車の先進安全技術の評価を行う「予防安全性能アセスメント」がはじまるなど、車は年々「安全性の高さ」を強く求められるようになっています。
予防安全性能アセスメントで評価される先進安全技術とは、例えば衝突が避けられないときの「自動ブレーキ」などが代表的です。
私達がより安全に運転できる車を選ぶときの指標になると同時に、自動車メーカーが安全性能の高い車を開発することを促す効果もあります。
今回は各メーカーを代表する”先進安全技術”をまとめました。
各メーカーごと車の安全技術まとめ一覧
トヨタの車の安全技術
トヨタは、『次世代の安全予防、はじまる。』をキャッチコピーに、最新技術で安全と安心をサポートする「Toyota Safety Sense」通称「サポトヨ」として安全技術をユーザーに提供しています。
【プリクラッシュセーフティ(自動ブレーキ)】
対:歩行者・車両(昼夜)/自動車運転者(昼)
・歩行者の飛び出しや先行車のウインカー無しの左折など、予期せぬタイミングでの急なブレーキ時にブレーキを踏む力をサポートしてくれるシステムです。
また、このような状況でブレーキを踏めなかった場合には、対歩行者の場合”時速30kmまで減速”/対車両の場合”時速40kmまで減速”してくれます。
・性能がさらに向上した「単眼カメラ」+「ミリ波レーダー」で、幅広いシーンで危険を検知出来るように。
対歩行者や自転車の検知性能が格段に上がりました。
■プリクラッシュセーフティの仕組み
1.単眼カメラとミリ波レーダーが、歩行者や先行車を検知。衝突の危険を「ブザー+ディスプレイ表示」で警報
2.ブレーキを踏めた場合→ドライバーのブレーキを踏む力をサポート
3.ブレーキを踏めなかった場合→自動でブレーキが作動、減速
■プリクラッシュセーフティ搭載車
アルファード、ヴェルファイア
【インテリジェントクリアランスソナー(踏み間違い時サポートブレーキ)】
対:障害物、壁面、ガラス
・駐車場内で頻繁に起こる、アクセルとブレーキの踏み間違いによる衝突を回避してくれるシステムです。
踏み間違いが起きた場合、自動ブレーキが作動して衝突を回避してくれます。
・前後4つずつ、合計8つのセンサー(超音波)で常に障害物を検知しています。
■インテリジェントクリアランスソナーの仕組み
1.センサーが障害物を検知。衝突の危険を「ブザー+ディスプレイ表示」で警報
2.エンジンの出力を抑制し、急発進・急加速出来ないようコントロール
3.その後、自動ブレーキを作動させ完全停止
■インテリジェントクリアランスソナー搭載車
アクア、アリオン、アルファード、ヴェルファイア、カムリ、カローラアクシオ、カローラフィールダー、クラウンアスリート、クラウンロイヤル、ハリアー、プリウス、プリウスPHV、プレミオ
【レーダークルーズコントロール(追従ドライブ支援システム)】
対:先行車
・高速道路や渋滞時などの運転時に、自動で”先行車に追従走行”+”一定の車間距離を保って走行”してくれるシステムです。
・先行車に合わせて減速や停止なども自動で行ってくれます。
■レーダークルーズコントロールの仕組み
1.レーダークルーズコントロール機能を起動し、希望の速度を設定
2.先行車に接近した場合は減速+ブザーで警報
3.減速後は希望の車間距離を設定
4.先行車がいなくなった場合、希望の速度まで再び加速
■レーダークルーズコントロール搭載車
アルファード、ヴェルファイア、カムリ、C-HR、クラウンアスリート、クラウンロイヤル、ハリアー、プリウス、プリウスα、プリウスPHV、マークX、MIRAI、ランドクルーザー、ランドクルーザープラド
日産の車の安全技術
日産は、『SAFETY SHIELD 「クルマが人を守る」という考え方』という安全理念のもと、運転の主体であるドライバーをサポートすることを主眼に安全技術の開発を進めています。
後側方衝突防止支援システムやステアリング操作支援のシステムなど、世界で初めて採用した技術を数多く有しており、『技術の日産』と呼ばれる所以は安全技術の開発にもあります。
【エマージェンシーブレーキ(前方安全支援システム)】
対:歩行者、前方の車両
・歩行者や前方の車両との衝突のおそれが生じた場合に、「警報+自動ブレーキ」で運転者の衝突回避操作をサポートしてくれるシステムです。
・フロントガラス上部に設置されている「マルチセンシングフロントカメラ」で、歩行者や前方の車両を検知しています。
■エマージェンシーブレーキの仕組み
1.マルチセンシングフロントカメラが歩行者や前方の車両を検知。「警告灯+警報音」で警告。軽い力のブレーキが発動
2.運転者の衝突回避操作が不十分だと判断された場合、衝突直前に自動ブレーキが作動
■エマージェンシーブレーキ搭載車
エクストレイル、NV350キャラバン、NV100クリッパー、ジューク、スカイライン、セレナ、ティアナ、デイズ、ノート、フーガ、リーフ
【後退出庫サポート】
・リアバンパー内部に搭載されたレーダーで接近する車両を検知し、接近があれば警告音とナビ画面上に矢印のマーカーを表示して注意を促してくれるシステムです。
■後退出庫サポートの仕組み
1.CVTのセレクターがリバースに入っているときにリアバンパー内部に設置されたレーダーで車両後方の左右の接近車両を検知
2.警告音とナビ画面上に矢印のマーカーを表示して注意喚起
■後退出庫サポート搭載車
オデッセイ
ホンダの車の安全技術
ホンダは、『Safety for Everyone すべての人の安全をめざして』という理念を掲げ、ホンダ車に関わる全ての人が安全して暮らせる社会を目指し「安全」に取り組んでいます。
【ブラインドスポットインフォメーション(車線変更支援システム)】
・走行中に死角となりやすい斜め後方にいる車両を検知し、ドライバーへ注意を促してくれるシステムです。
左右のリアバンパー内にミリ波レーダーが搭載されており、正確に斜め後方の車両を検知してくれます。
・斜め後方の車両を検知した状態でウインカーを出すと、警報灯とブザーで危険を知らせてくれます。
■ブラインドスポットインフォメーションの仕組み
1.斜め後方の車両をミリ波レーダーが検知
2.検知した側(左右どちらか)のインジケーターが点灯し、ドライバーに斜め後方の車両の存在を知らせる
3.車線変更の場合→車線変更先に車両がいる場合には、音と点滅でドライバーに車両の存在を知らせる
■ブラインドスポットインフォメーション搭載車
オデッセイ、レジェンド
【スマートパーキングアシストシステム(駐車時のハンドル操作アシストシステム)】
・バック駐車と縦列駐車を行う際、ハンドルが自動で回転、車両を駐車スペースへと導いてくれるシステムです。
・スマートパーキングアシストシステムを使用する際には条件があります。
バック駐車には”道路幅5m以上”、縦列駐車には”道路幅4.5m以上”が必要です。
■スマートパーキングアシストシステムの仕組み
1.ナビモニターの画面上でスタート操作
2.ドアミラーに設置された魚眼CMOSカメラが駐車枠を検知・確認
3.ステアリングを自動操作。音声ガイダンスに従ってブレーキなどの操作を行う
■スマートパーキングアシストシステム搭載車
オデッセイ、フィット、レジェンド
スバルの車の安全技術
スバルは独自の総合安全思想『SUBARU SAFETY』を掲げ、「アイサイト」など最先端の安全技術の更なる発展で”事故ゼロ”という究極の目標を目指すことを宣言しています。
【スバルリヤビークルディテクション(後側方警戒支援システム)】
・車体後部に搭載されたセンサーで後方の車両を検知し、衝突の危険がある場合には警報音で注意喚起してくれるシステムです。
走行中はもちろん、駐車時にも後方からの車両があった場合は注意喚起の警報を鳴らしてくれます。
■スバルリヤビークルディテクションの仕組み
1.車体後部に搭載されたセンサーで後方の車両を検知
2.衝突の危険があるとシステムが判断した場合には、ドアミラーのインジケーターが点灯+警報音で危険を知らせる
■スバルリヤビークルディテクション搭載車
スバル車全車両にオプションで搭載可能
【ハイビームアシスト】
・夜間走行中、周囲の状況に合わせてハイビーム/ロービームを自動的に切り替えてくれるシステムです。
周囲の明るさや、前方車両の存在、速度などを検知し、適切な明るさでの運転を提供してくれます。
■ハイビームアシストの仕組み
1.システムが明るさ(暗さ)を感知
2.前方に車両がいない場合にはハイビームで走行
3.対向車や先行車など前方に車両がいる場合には、自動的にロービームに切り替える
■ハイビームアシスト搭載車
スバル車全車両にオプションで搭載可能
マツダの車の安全技術
マツダは、先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」を全車両標準装備にするなど、各メーカーの中でも特に「安全」に力を入れています。
2016年に「マツダ・アクセラ」が「予防安全性能アセスメント」予防安全性能の総合評価で最高得点を得て、1位に輝いています。
【アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(自動ブレーキ)】
・先行車や前方の歩行者をフロントガラスに設置したカメラやレーザーで検知し、衝突の危険性が高い場合、自動的にブレーキをかけて衝突回避をサポートしてくれるシステムです。
■アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポートの仕組み
1.先行車や前方の歩行者をフロントガラスに設置したカメラで検知
2.ブレーキを踏めた場合→ドライバーのブレーキを踏む力をサポート
3.ブレーキを踏めなかった場合→自動でブレーキが作動、減速
■アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート搭載車
マツダ車全車両にオプションで搭載可能